研究課題/領域番号 |
25370679
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研究機関 | 茨城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
奥山 慶洋 茨城工業高等専門学校, 人文科学科, 准教授 (90369934)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ESP / アカデミックライティング / 英語専門語彙 / 高専 / 教材 / 教育工学 |
研究実績の概要 |
LET(外国語教育メディア学会)において、「アカデミックライティングの文法的特徴の分析」というタイトルで口頭発表を行った。この成果をJABAET(日英・英語教育学会)論文誌に投稿、現在はその結果を待っているところである。本研究は、昨年度に引き続き、アカデミックライティングにおける文法的な特徴を、おもに「by句付き受動態」に着目して分析を行うことを目的としている。昨年度の研究では、先行研究である外山(1975)の報告(giveはby句(動作主)を伴っていない)と異なった特徴を示しているためより詳細に分析する必要があることや、抽出の条件で英米の所属機関としており英語と米語の差異による影響があるのではという課題が指摘されたため、データのより厳密な抽出が必要であると判断し、新たにデータを追加・削除して分析用コーパスを作成し再分析を実施した。もととなる4つの論文誌の数値的な特徴比較、および受動態表現の出現傾向を量的・質的に分析した。その結果、同じ研究分野(機械工学)内でも、論文誌によって受動態の使われ方に違いがみられることが明らかとなった。動詞によっては出現頻度に偏りがあるものもありそれが論文誌の特徴になっているとも言える。また、一般的に受動態で用いられることが多いshowやuseはby句を伴わず、一方でby句と伴に出現することが多い動詞もあるということが明らかとなった。by句の働きについては、動詞によって(1)動作主を伴うものだけが出現する場合、(2)動作主を伴うものとbyが動名詞を伴って道具や手段を表すものが両方現れる場合、そして(3)byが動名詞を伴って道具や手段を表すものだけが出現する場合という3つの傾向に分けることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
計画書では、語彙学習用ソフトを開発し、それを実際に学生たちに使用してもらい、使用状況をアンケートなどを通じて調査し、その意見をもとにソフトを完成させ、研究をまとめる予定だったが、専門家のアドバイスをもらうことができたのが平成27年度末であり、実際にソフトを作成し完成させるのにはさらに1年程度を要することが明らかとなった。平成28年度中の完成を目指して開発を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況でもふれたように、今年度は実際に専門家のアドバイスに基づきソフトウェアを完成させ、学生たちに使用してもらい評価等をしてもらう予定である。さらに、その評価に基づいてソフトの改善を行い、完成させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費についてはほぼ予定通りの支出であったが、物品費および謝金についてはほとんど支出できていない。理由としては、物品費は、アンケートを分析する際に使用する統計処理ソフトや専門語彙学習ソフト(コンテンツ)を送信するサーバーを未購入であることがあげられる。人件費は、ソフト作成の助言を求める専門家への謝金やコンテンツを作成してくれる専門家への人件費などが使えていないことがあげられる。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、実際にソフトを開発する予定であり、昨年度末に非公式ではあるが専門家に助言をもらっている。また、統計処理ソフトなどは早期に購入し、速やかに予算執行をするつもりである。
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