研究課題/領域番号 |
25370682
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
原口 治 福井工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50280384)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 技術英語教育 / 英語教育 / プレゼンテーション教育 / 国際交流 / 地域貢献 / グローバリゼーション / 専攻科 / 高専 |
研究概要 |
以下に記す(1)と(2)が本研究の主要骨子となっている.「独立行政法人国立高等専門学校機構福井工業高等専門学校(=福井高専)専攻科」の英語教育改革を通して,「(1)高専ひいては工学系一般における国際化育成を主眼とした科学技術英語教育カリキュラムの構築と実施」を試みる.その研究成果を,「(2)専攻科の英語教育と連動した地域貢献活動を通して広く社会に還元」する.以上の前提に基づき,次に記す①から⑤を本年度の研究成果として提示する.①科学技術英語教育の強化を図った.「現代英語(福井高専専攻科第1学年必修科目)」で実施している,科学技術英語プレゼンテーション教育に加えて,新科目「技術者英語コミュニケーション演習」を設置した.この新科目の特徴として,テクニカルライティング力の養成文部科学省後援工業英検1級を取得した実務経験等豊富な講師を招聘し,技術英語教育カリキュラムを実施することが挙げられる.これは公益社団法人日本工業英語協会の協力により実施されるものであり,次年度以降,県内企業のグローバル化による海外競争における語学的支援の機会として提供されることを目指す. ②TOEICIP受験支援を通しての自学自習システム構築とその結果分析.『eラーニング併用: 新TOEICテスト(朝日出版社)』の使用により,得られた専攻科学生の各種データ(得点分布や自習状況他)を来年度以降も蓄積し,高専生のTOEICIP成績データの比較分析等を行なう.③福井県内企業における英語使用実態調査として,協力していただける企業(卒業生が在職中含)を選定した.④高専機構が奨励する国際学会(=“ISATE”,“ISTS”他) へ参加し,上記①の教育を終了した学生の参加支援を実施した.同時に,学会の発表内容の傾向と発表参加に向けての対策等を調査した.⑤上記①についての投稿論文が,論文集『高専教育』に採用され,公刊された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請研究期間(3年間)で本研究の主軸としたのは,次の(1)から(3)である.(1)高専及び工学系対象の国際化育成を主眼とした科学技術英語教育カリキュラムの構築と実施.(2)企業関係者も対象とした技術英語講習会実施.(3)高専を始めとした工学系英語教育テキストの開発.これら3つの計画実施により,地域貢献と国際性育成を重視した高専専攻科英語教育システムの構築と展開が可能となる.以上を基に,次に記す①から⑤を,本年度の研究成果として提示する.①科学技術英語教育の強化を図った.科学技術英語プレゼンテーション教育に加えて,新科目「技術者英語コミュニケーション演習」を設置した.この科目は公益社団法人日本工業英語協会の協力により実施されるものであり,次年度以降,福井県内企業のグローバル化による海外競争における語学的支援の機会として提供されることを目指す.②TOEICIP受験支援を通しての自学自習システム構築とその結果分析のための基礎資料作成.『eラーニング併用: 新TOEICテスト(朝日出版社)』の使用により,得られた専攻科学生の各種データを蓄積し,TOEICIP成績データ分析等の基礎資料を作成した.③福井県内企業における英語使用実態調査として,協力していただける企業(卒業生が在職中)を選定し,担当者と打ち合わせを行なった.これにより次年度以降,地域貢献を重視した英語による支援の各種調査が可能となった.④高専機構が奨励する国際学会(=“ISATE”,“ISTS”) へ参加し,上記①の教育を終了した本校専攻科学生2名他の研究発表支援を実施した.同時に,学会の発表内容の傾向と発表参加に向けての対策等を調査した.⑤上記①についての投稿論文が,論文集『高専教育』に採用され,公刊された.以上の①から⑤を踏まえ,当初に予定していた本年度の計画は,おおむね順調に進展している,と自己判断するに至った.に
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度以降の主計画は以下の①から⑤である.①科学技術英語プレゼンテーション教育の充実強化(福井県内企業との関係を重視した教育実践).基本的には平成25年度の内容を継続するが,専攻科学生だけでなく企業関係者をも対象とした技術英語講習プログラムの実現を目指す.プログラムの内容について,基本的には公益社団法人日本工業英語協会(担当藤井正博氏)の協力により平成25年度の方法を継続するが,教授内容の改善を図る.②TOEICIP受験支援を通しての自学自習システム構築とその結果分析(高専学生の得点分布等の傾向を分析する).基本的には平成25年度の方法を継続するが,年5回のTOEICIP校内実施のデータの分析を加えて,更に結果分析に精査を加える.その上で,この自学自習システム構築について現状の問題点他を考察する.③福井県庁大学私学振興課主催の大学生対象セミナーである「ふくい企業学」の企画運営に,中心的に参加し,専攻科学生に,国際化と地域貢献を具体的に考察する機会を与える.④高専機構が奨励する国際学会(=“ISATE”,“ISTS”他) 等への参加.平成25年度の結果を踏まえ,学生の学会発表応募を支援する.また,“ISATE”での口頭発表を目指す.応募する発表内容は,上記③についての考察を通し,高専英語教育におけるグローバリゼーションについて論じるものである.また,平成25年度と同じく,論文集『高専教育』への投稿を行なう.本年度は,英語を通しての地域貢献の在り方について考察した内容とする予定である.⑤上記①から④を基盤とした,高専及び工学系対象の科学技術英語テキスト編さんのための基礎的資料収集等を行なう.また,専門学科所属の研究分担者からテキストの素材となる科学技術英文の提供を受ける.専門学科所属教員との学科横断型連携による共同研究で,一般学科と専門学科の教育ネットワーク構築を目指す.
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