英文多読学習支援システム再構築のために行っていた外部業者と協力した仕様策定が,昨年度までに完了したため,今年度はまず図書データベースの実装を行った。これに伴い,教授モデルによる推薦を行う仕組みは,データベースの利用プログラムとして導入した。さらに,個人利用を想定したスマホアプリの開発を平成29年度前半に完了するとともに,主に図書館での蔵書検索用端末での稼働を想定したWeb版のアプリも平成29年度後半に完了した。なお,データベースそのものについては,他のいくつかのシステム(例えばThe Extensive Reading FoundationよるMReaderや,信州大学によるERF Placement Test)でも共通的に利用可能なクラウドデータベースとするために,信州大学の研究者と協力して開発を行った。 初めて英語多読を体験する初心者向けの英語多読チュートリアルアプリは昨年度までにiOS版として完成していたが,平成29年度にさらに新たな開発言語へと移行したことで,Android OSでも動作可能なアプリを開発することができた。今後,インタフェースをさらに使いやすいものに改善して早急に一般公開する予定である。 中級学習者向けの学習進度に適した自動図書推薦機能のために,図書の書評を用いた内容ベース型アルゴリズムについて,主にデータ精査のための研究を継続したが,システムへの実装には至っていない。学習状況の分析のために昨年度開発した装置(安価なアイトラッカーセンサとWindowsタブレット)を用いたシステムについては,データ精度改良のためのプログラム改良を行ったが,実際に学習者を対象に実験を実施するまでには至らなかった。 なお,研究成果を国内外の学会にて報告を行った。
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