研究実績の概要 |
本研究の目的は,日本人学習者が協同学習による他者との相互作用を通して英語のスピーキングとライティング能力を向上させ、新たに獲得した語や文法を実際に使用できるようになる過程において、ピア・フィードバックにおけるどのような相互行為が学習と結びついていくのかを明らかにすることである。 2016年度は,Johnson, Johnson & Holubec (2002)による協同学習の基本的構成要素(互恵的相互依存,目標と責任,対人的技能への認識等)を組み込んだ「信頼に基づく協同学習」によるペア(協同学習群)と単なるペア(グループ学習群)の英語スピーキング活動後の英語スピーキングの流暢さに関して比較検討を行った。結果と両群とも向上したが,協同学習群のほうがより伸びた下位項目もあった。これらの研究成果は,全国英語教育学会(2016年8月,獨協大学)およびCLaSIC 2016(2016年12月,国立シンガポール大学語学センター主催の外国語教育に関する国際学会)において口頭発表した。 また,本研究における英語スピーキング能力とライティング能力の伸長に関する総合的な研究結果は,日本教育カウンセリング学会(2016年5月)と外国語教育メディア学会(2016年8月)のシンポジウムおよび中部地区英語教育学会(2016年6月)の課題別討論会で発表した。さらに,本研究の成果に基づく実際の指導方法や教材について小学校・中学校・高等学校の教員を対象とした校内外の研修会,公開講座およびワークショップ等において積極的に紹介し,体験をしてもらった。
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