研究実績の概要 |
研究最終年度においては,本研究課題の総括を行った。本研究の目的は,読解方略,動機づけ,学習観を統合的視座に据え,英文読解における方略的介入から動機づけの向上や学習観の変化へと至る因果プロセスについて量的/質的アプローチにより考察することであった。結論として,外国語としての英文読解の因果プロセス的特徴として,動機づけから方略使用や学習観への影響よりも,むしろ方略使用から動機づけや学習観への影響の方が大きい傾向が見られた。これらの研究成果について広く公開・共有し,高等教育レベルでの英文読解指導の高度化・活性化の推進を図った。具体的には,大学英語教育学会(JACET)北海道支部研究会,米国応用言語学会(AAAL),英国応用言語学会(BAAL),米国ハーバード大学主催のFLEATⅥにおいて,関連する研究成果について学会発表を行った。論文執筆に関しては,最終成果を著名な国際学術誌(Applied LinguisticsとLanguage Learning)に投稿したが採択されなかった。代替的措置として,北海学園大学論集に論文"A Qualitative Probe Into the Causal Relations Among Strategy Use, Motivation, and Beliefs in EFL Reading"が掲載された。本研究の成果は,第二言語読解の観点から応用言語学や第二言語習得研究の発展・深化 に貢献したと考えられる。
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