本研究では,読解方略,動機づけ,学習観を統合的視座に据え,英文読解における方略的介入から動機づけの向上や学習観の変化へと至る因果プロセスについて量的・質的に考察した。予備調査と本調査を行い,英文読解授業の中で質問紙と対応する自由記述紙を用いてデータを収集した。結果の概要として,明確な方向性は認められなかったものの,外国語としての英文読解の特徴として,動機づけから方略使用や学習観への影響よりも,むしろ方略使用から動機づけや学習観への影響の方が大きい傾向が見られた。質的データの分析では,要旨理解を中心とする方略の定着による読解意欲の向上,要旨理解の成功を通した学習者意識の肯定的変化が認められた。
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