研究課題/領域番号 |
25370696
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
石川 正子 城西大学, 語学教育センター, 准教授 (10552961)
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研究分担者 |
鈴木 渉 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (60549640)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ランゲージング / アウトプット / 第二言語習得 / 外国語教育 |
研究実績の概要 |
本研究では口頭ランゲージングに比べてほとんど研究の進んでいない筆記ランゲージング(学習者が疑問に感じたり、考えたことについて書くこと)の学習促進効果を検討することを大きな目的としている。平成26年8月9日には、第40回全国英語教育学会徳島研究大会において前年度行った筆記ランゲージングの学習促進効果についての実験結果を口頭発表した(タイトルは『筆記ランゲージングの効果 文法説明の場合』)。発表出席者からは多数の有用なフィードバックやコメントを得ることができ、ここでの発表内容をまとめた論文は現在国際学術雑誌に投稿中である。さらに、同年6月に前年度行った実験を改良した筆記ランゲージングの効果を調べる実験を行った。その結果、我々の仮説通り筆記ランゲージングには言語学習を促進する効果が有ることが示唆された。この実験結果については、平成27年3月21日にカナダのトロントで開かれたアメリカ応用言語学会(AAAL: American Association for Applied Linguistics)で口頭発表を行った(タイトルは “Does Written Languaging Facilitate Learners’ Knowledge of Grammar in Second Language?”)。夏の徳島研究大会同様に発表出席者から今後の研究につながる多くの貴重なコメントが寄せられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題にとって最重要ともいえる筆記ランゲージングの英語学習への促進効果を明らかにするという目標が達成できたことが大きな理由である。またこれまで行ってきた研究成果について全国英語教育学会のみならず英語教育界では世界最高峰ともいえるアメリカ応用言語学会で発表したことも有意義であったと考えている。これらの学会発表により研究成果を日本国内はもとより世界に発信すると同時に今後の本研究課題発展につながる有意義なフィードバックやコメントなどを得られたことも大きな収穫であった。
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今後の研究の推進方策 |
筆記ランゲージングの学習促進効果についてはある程度の結果を得ることができたので、最終年度である今年度は当初の計画通り習熟度や適性などの学習者内要因と筆記ランゲージングの学習促進効果の関係解明に努め、より能率よく、かつ効果的に筆記ランゲージングが実際の英語教育現場で活用されることの実現に貢献することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度末(3月21日から26日まで)カナダで開催されたアメリカ応用言語学会のトロント大会において口頭発表のために出張したが、年度末であったためその際の学会出張費用が計算されておらず、次年度使用額が生じる結果となった。
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次年度使用額の使用計画 |
上記学会出張費用には、参加費・旅費・宿泊費などが含まれるが、上述の通り帰国が3月末であったために今年度処理されることになったもので、実質的にはすでに使用されている。関係書類や領収書などは提出済であり現在処理が行われている。
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