本研究は認知言語学の言語観を取り入れ、英語の冠詞と文法的<数>を体系的に関連づけた名詞の指導を構築し、その動画教材の開発を目的とする。対象は入門期の学習者(小学生)とした。 日本の学習者は冠詞の習得がむずかしいとされる問題の解決を試みた。不定冠詞とゼロ冠詞は話し手の対象認識を示す。この前提のもと対象の境界性に注目した。冠詞は名詞の可算性と連動した体系である。これを可視化した動画教材を作成した(名詞30語)。小学校での検証結果は指導の有効性を示唆した。日本語との比較の指導は学習者に母語への客観的な視点を与えた。留意点は現行と異なる言語観による指導であるため、補完的な形で導入する工夫がいる。
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