研究課題/領域番号 |
25370711
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
川瀬 義清 西南学院大学, 文学部, 教授 (20108616)
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研究分担者 |
長 加奈子 北九州市立大学, 基盤教育センター, 准教授 (70369833)
大橋 浩 産業医科大学, 医学部, 准教授 (40169040)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 認知言語学 / 事態把握 / 構文 / 英語教育 / 指導法 |
研究概要 |
本研究の目的は、認知言語学の知見に基づき、日本人英語学習者の英語の特徴を体系的に明らかにするとともに、効果的な指導法を考案する為の基礎研究を行うことである。 平成25年度は、5文型を中心とするいくつかの構文についてそれぞれの構文がどのような事態把握を反映しているかについて、コーパスデータを用いて分析した。また、実際に日本人英語学習者が書いた英文から、英語として不自然な表現を取り出し、それらの表現を分析することにより、日本人英語学習者の母語の事態把握の影響を受けていることを明らかにした。 また、教育現場での応用について研究するために、大学英語教育学会の部会として「応用認知言語学研究会」を設立した。この研究会は、認知言語学の知見を英語教育の現場に活かすためには,認知言語学のどのような知見をどのような形で応用することができるかを検討し,教育現場で利用することができるような教授法の研究開発を行うことを目的としている。平成25年度は、6月、11月、3月の3回研究会を開催した。3月の研究会では、認知言語学を専門としない人を対象として認知言語学をわかりやすく説明する講演を行ったが、予想以上の参加者が有り、大変好評であった。同時に、平成25年度に行われた教員免許状更新講習(西南学院大学)において、本研究で得られた知見を用いて中学・高等学校の英語教員に対して教授法についての指導を行った。現場の教員からの満足度は大変高く、学校現場への応用可能性についても高く評価された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に示したように、現場の教員の関心の高い5文型を中心とするいくつかの構文について分析が進展した。また、日本人英語学習者の書いた英文を認知言語学の観点から分析することにより、どのような指導が効果的かについても見えてきた。「応用認知言語学研究会」や教員免許状更新講習などを通じ、現場の教員との意見交換を行うと同時に、教員免許状更新講習では,研究成果の一部を実際に教材として用いることにより、その有用性を確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究対象とする構文を広げるとともに、日本人英語学習者の書く英文データを分析し、その成果について学会等での発表を行う。また構文間の関係を有機的に関連づけ、学習者にとってわかりやすいモデルを構築し提示することができるよう、さらに研究を進める予定である。なお平成26年度は研究代表者の川瀬が五文型について、分担者の長が二重目的語構文と to 与格構文について、大橋が談話の構成についてさらに分析を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末に行われる学会発表に使用する予定の旅費が不要になったため、その分の金額を次年度に繰り越した。また、分担者の1人が平成26年度4月より所属変更になるが、異動先の設備がどの程度整っているか不明のため、設備不足に備え一部次年度に繰り越した。 いずれも大きな金額ではなく、平成26年度に旅費、備品費として使用する予定である。
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