研究課題/領域番号 |
25370719
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研究機関 | 西南女学院大学 |
研究代表者 |
横溝 紳一郎 西南女学院大学, 人文学部, 教授 (60220563)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 小中連携 / 協働的アクション・リサーチ |
研究実績の概要 |
「どのような形の小中連携をめざすべきか」に関する具体的提案や、「それをどう実現し、その結果どうなったか」についての実践報告を行うために、小中連携ですでに成功しているS県のM中学校の授業を参考にしながら、F県F市の中学校教員と研究代表者による協働的アクション・リサーチを行った。中学校教員(2名)が中1入門期(4月~7月)の間,M中学校での中1入門期の英語授業実践にもとづく英語の授業を行った。毎回の授業が終了した後,各自の気づきをジャーナルとして記録しておいた。また,中学校教員と調査代表者とで構成するメーリングリストでのメールのやり取り,そして中学校教員に対するインタビューの内容もデータとして取り扱うことにした。このようにして得られたデータを総合的に分析した。 平成25年度 (1)4月~12月 M中学校での中1入門期英語授業実践の追跡調査,小中連携の英語教育についての情報収集,協働的アクション・リサーチ実施に向けての準備、(2)1月13日 M中学校教員による第1回目の研修、(3)2月11日 M中学校教員による第2回目の研修、(4)2月上旬~3月上旬 26年度の協働的アクション・リサーチ参加者(7名)の決定、(5)3月6日 協働的アクション・リサーチ参加者と研究代表者とのミーティング 平成26年度 (1)4月~7月 協働的アクション・リサーチの実施、(2)8月 アクション・リサーチ実施者2名からのインタビュー・データの収集、これまでに得られたデータの総合的分析、(3)10月12日 日本教育アクション・リサーチ・ネットワーク大会での発表、(4)1月10日 M中学校教員による第3回目の研修、(5)1月25日 M中学校教員による第4回目の研修、(6)2月上旬~3月上旬 27年度の協働的アクション・リサーチ参加者(18名)の決定、(7)3月3日 協働的アクション・リサーチ参加者と研究代表者とのミーティング
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
26年度に行う予定であったスケジュールはほぼ全て行うことができた。ただ、協働的アクション・リサーチ参加者7名のうち、中学1年生の授業を担当できる教員が2名しかいなかったため、2名の実践についての調査までしか行うことができなかった。しかしながら、2名から収集したデータを分析した結果、「ある教え方に基づき自身の教育現場での改善を図るためには、具体的方法の模倣だけでは不十分であり、その方法を支えている教育理念に立ち返り、自分の現場の状況と照らし合わせながら、調整をし続けること」が必要不可欠である、という結論に至ることができた。それ故、「おおむね順調」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
27年度については、中学1年生担当の教員を十分に確保するために、協働的アクション・リサーチ参加者を18名に増員することとした。「M中学校の小中連携の基本理念である『ゆるやかな移行』と『適度な段差』という教育理念に基づき、中1担当教員が自身の現場の状況の中で、小中連携のあるべき姿について模索し続けること」を最終年度のテーマとした。データ収集は、(a) 中学校教師間の話し合い、(b)英語授業の実施、(c)中学校教員へのインタビューを、継続的に行う予定である。「(a) 中学校教師間の話し合い」及び「(b)英語授業の実施」に関しては、ビデオ録画及び参与観察によるデータ収集を行う予定である。「(c)中学校教員へのインタビュー」は、録音によってデータを収集する。録音及び録画によって得られたデータは、文字起こしし、分析対象とする。
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