研究課題/領域番号 |
25370722
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
加藤 千博 横浜市立大学, 総合科学部, 准教授 (20638233)
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研究分担者 |
田島 祐規子 横浜国立大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70377117)
村上 嘉代子 (平野 嘉代子) 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (90424895)
前川 浩子 金沢学院大学, 文学部, 准教授 (10434474)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 教育評価・測定 / 英語基礎力測定 / 形成的評価 |
研究概要 |
リーディング語彙力、リスニング語彙力、基礎文法力を測定する「RLGテスト(英語基礎力測定テスト)」の新しいバージョンを開発するために、このテストの開発者から作成上の理論の教授を受けた。2回に渡り研究会を開催し、初回は、Rテスト作成の際の問題となる語(ターゲットワード)と選択肢(錯乱肢)の難易度の関係性やLテスト作成の際に基礎となる音素とターゲットワード、選択肢の選択方法、およびGテスト作成における大場文法シラバスに基づく6つの文法領域について学んだ。2回目の研究会では、これまでに作成済みの各テストに使用された語彙、文法項目のデータベースを各参加者が作成し、そのデータベースを使用しながら、作成方法に関する理論を具体的に教授を受けた。さらに、Rテスト、Lテスト、Gテストのそれぞれにおいて4択方式による偶然の正解を考慮した計算式とその信頼性について議論を行った。現在もデータベースの作成を継続中であり、新しいヴァージョン作成に向けた準備を進めている。 このRLGテストをどのようにして授業内で形成的に利用するかについて研究・調査を行い、中部地区英語教育学会にて発表を行った。今研究では、RLGテストと自己評価票を用いることによって大学1年生の学習傾向を習熟度別に把握することができた。自己評価票を用いて自律的学習に結び付ける方策を提案し、研究成果を『紀要』に掲載した。併せてこれまで6年間のRLGテストに関する研究成果を大学英語教育学会にて発表を行った。 RLGテストを利用したアクティブ・ラーニングのコンテンツの開発を意図して、実際にアクティブ・ラーニングを実践するヨーロッパの学校を視察した。アーヘン工科大学とウィーン大学を訪問し、現地教員から説明を受けるとともに、地元の高校や職業学校を訪問し、プラクティカルな英語使用を想定した授業を参観することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RLGテストの3つの新しいヴァージョン作成を目指し、理論研究に取り組んだが、いまだデータベースが完成しておらず、一つのヴァージョンも作成できていない。これは理論研究と並行して取り組んだ、形成的利用法の一環である自己評価票の調査、分析に時間の多くを費やしたためである。しかしながら形成的利用法の研究が進んだことにより、この要素に関する2年目の研究負担が少なくなるため、テスト開発の方にウェイトを多く置くことが可能となる。
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今後の研究の推進方策 |
形成的利用法の研究とテスト開発をバランスを保ちながら進めて行く。形成的利用法の研究に際しては、得られたデータをもとに教材の適性を判断する仕組みを考案していく。そのためには量的データと質的データの両方が必要となり、また時間をかけた緻密な分析が必要となる。テスト開発に関しては、データベースの完成を急ぎたい。いずれも地道なデータ入力とデータ分析の作業が必要なため、データ整理補助に一部予算を回し、データ処理を促進させることにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究分担者の前川の分担金が未使用となっている。旅費に関して、研究は共同で行ったものの学会発表に際して、当日他の出張と重なったため、学会発表にに参加できなかったため、学会参加のための旅費が未使用となった。また、横浜での研究会には参加せず、金沢での研究会にのみ参加したため、出張旅費の支出の必要がなかった。 物品費に関しては、データ解析の作業まで辿りつかなかったため統計ソフトの購入を翌年度に繰り越した。 未使用の分を今年度、データ解析作業用の統計ソフトとパソコンの購入に充てる。
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