研究課題/領域番号 |
25370723
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
杉田 由仁 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (70363885)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教育評価・測定 / ライティング |
研究実績の概要 |
平成26年度研究においては、日本人英語学習者のライティングによる言語運用能力の測定・評価を目的とする「タスクに基づくライティング・テスト(Task-Based Writing Performance Test: TBWT)」の評定者を対象として、トレーニング・プログラムの開発を試みた。また、多忙な教育現場の教師たちが一堂に会して評定者トレーニングに参加することは現実的に困難であることを考慮して、オン・ラインでの実施形態を模索した。開設したウェブ・サイトで、このTBWT評定者トレーニングを実際に行った英語教師からのフィードバックに基づき、オン・ライン評定者トレーニングに対する英語教師の評価について報告を行った。さらに、TBWTに特化した「コンピューターによる自動評価採点システム」を構想するためには、構成概念であるAccuracy, Communicability それぞれの評価規準に適合する言語的特徴数値化のための客観的評価指標を設定することが最重要課題となる。そこで、自由英作文評価における統計指標 (特徴量) として妥当性が実証された言語的特徴の中から、TBWTの評価規準 (評価の観点) に適合する複数の言語的特徴を抽出し、それらの特徴量とタスクの総合的評価との相関分析によって客観的評価指標としての妥当性を検証し、重回帰分析によって総合的評価を予測する回帰式を作成しその回帰式の有用性検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コンピューター利用による自動採点システム構築に向けて、客観的評価指標(特徴量)の抽出が完了した。また、平成26年度の研究計画としていた過去に実施された中・高教員によるTBWT評価との相関による自動評価採点システムの信頼性およびオンライン自動採点システム(Criterion)による評価結果との相関による併存的妥当性の検証までを終えることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度までの信頼性・実用性の検証結果に基づいて、必要なプログラムの修正を試みる。また、実用性の検証に関しては、一定規模の受験者を対象としてTBWTのオンライン受験を依頼して、自動採点システムの稼働状況および処理結果等の分析を行う。さらに、3年間の研究内容を報告書としてまとめ、実用化に向けての課題明確化を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
早稲田大学における学会発表のための旅費支出を予定していたが、支出不要となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
自動採点システムのプログラム改修を業者委託する予定があり、27年度補助金と合わせて使用を予定している。
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