本研究は教職課程在籍中の学生の英語教員としての未来像、特にコミュニケーション能力を育てる英語教育に関する理想的自己の変化を調査した。3名の研究参加者の大学2年次から教員赴任後の計4年間の変化を調査するため定期インタビュー等からデータを収集した。データ分析は質的手法を用い、possible selves theoryを理論的枠組みとした。最も重要な知見は、研究対象者が現実に直面し理想的自己の修正を迫られながらも核となる理想的自己は保ちその実現に向けて学びの必要性を感じ始めた点である。文部科学省が目指す英語教育の実践を可能とする教職課程、現職教員の養成システムのあり方に様々な示唆をもたらしている。
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