研究課題/領域番号 |
25370729
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
川村 晶彦 成城大学, 社会イノベーション学部, 准教授 (60407616)
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研究分担者 |
アダチ 徹子 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (30199195)
GARDNER Scott 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30304330)
大和 知史 神戸大学, 国際コミュニケーションセンター, 准教授 (80370005)
磯野 達也 了徳寺大学, 健康科学部, 教授 (10368673)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 語用論 / ポライトネス / 言語の機能 / 発話行為 / ラポール・マネジメント理論 / 英語教育 / コーパス |
研究概要 |
平成25年度は、第1段階として研究分担者がそれぞれ計画通りに語用論の理論的考察、英語教育の現状把握、調査項目の再検討を行った。理論的考察では比較的古い先行研究もその重要度に応じて考察の対象としたが、予定通り、日英語のポライトネスの対照分析に関しては、ラポール・マネジメント理論を本プロジェクトの基盤として援用していくことで意見の一致を見た。 教育現場の現状については、テキスト分析、教室での実際の指導について現在も引き続き調査中であるが、学習者は、和文英訳という形では英文を産出することはできるが、場面と状況が与えられ、それに応じた適切な英文を作るように指示された場合には学習者自身で判断をして英文を産出することができなくなる、という報告もあり、特定のコンテクストにおける適切な言語使用を可能にする語用論的能力の育成を目的とした本プロジェクトの意義を再確認することができた。 調査項目の再検討では、連携研究者より提供を受けたウェブ上の英語1兆語からなるデータおよびBNCのSpokenサブコーパスのそれぞれを処理して得られたデータを全員で検討し、その後、CEFRやThreshold Levelなども参考にしつつ、言語の機能の分類も行っている。これは純粋にコーパスの頻度のみを基準として項目を決定した場合、ポライトネスという観点から日本人英語学習者にとって真に必要な語句が調査対象から漏れるという可能性も否定できないからである。言語の機能の分類自体は古くはサールといった言語哲学の分野でも盛んに行われてきたが、現時点にいたるまで全てを網羅した満足のいく枠組みというものは存在してない。本プロジェクトでは、言語の機能の分類自体はラポール・マネジメント理論に基づいたポライトネス指導を有効適切に行うための手段の一つと考えており、理論にとらわれることなく実用性の高いものを構築することにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
語用論の理論的考察、英語教育の現状把握、調査項目再検討という本プロジェクトの第1段階における3つの目標はいずれも現時点でほぼスケジュール通りに進んでおり、平成26年度の6月には終了の予定である。したがって、おおむね順調に進展しているという評価となる。
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今後の研究の推進方策 |
本プロジェクトの第1段階である語用論の理論的考察、英語教育の現状把握、調査項目再検討は2年目である平成26年度の6月には終了予定のため、2年目はスケジュール通り第2・3段階となる調査項目の確定、インフォーマント確保、質的データ収集を行う予定である。ここまではおおむね順調に進展しているだけに、今後想定外の問題や遅れが生じないよう一層気を引き締めて計画の推進に全力を傾けたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は予定通り順調に研究が進展し、当初の計画よりも打ち合わせの回数も少なくて済んだため主に旅費を使用予定であった首都圏以外の研究分担者たちの予算に特に剰余が生じた。 2年目となる平成26年度は年度末にかけて本調査が予定されているため、打ち合わせも頻繁に行わなければならず、かつ場合によっては予備のインフォーマントも確保する必要があるため、次年度使用額はこういった用途に流用する予定である。
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