研究課題/領域番号 |
25370733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
植野 貴志子 東京都市大学, その他部局等, 講師 (70512490)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 質問行為 / 聞き手行動 / 日英語対照研究 / 談話研究 / 異文化コミュニケーション |
研究概要 |
本研究は、「質問行為」を相手の話を聞いて反応する「聞く行為」の一部と位置付けて、日本語と英語の自然談話における質問行為を分析し、日本語と英語の質問の型、及び、インターアクションの型を明らかにすることを目的としている。主な研究実績は以下の通りである。 (1) 2013年9月7日、「日本語話者と英語話者の聞き手行動-ミスター・オー・コーパスに基づく一考察」を社会言語科学会第32回研究大会(於信州大学)にて口頭発表。日本語話者と英語話者の聞き手行動を対照分析し、日本人とアメリカ人のインターアクションの型について論じた。 (2)2014年3月2日、「日本人とアメリカ人の質問行為-グローバル人材を育成する英語教育のために-」を日本英語教育学会第44回年次研究集会(於早稲田大学)にて口頭発表。日本人とアメリカ人の質問行為を分析し、異文化接触場面でなぜ日本人が質問をしないと指摘されるのか、その理由を探った。さらに研究結果を英語コミュニケーション教育に活用することを提案した。 (3) 2014年3月、「問いかけ発話に見られる先生と学生の社会的関係―日英語の対照を通して」を『解放的語用論の挑戦―文化・インターアクション・言語』(井出祥子・藤井洋子編、くろしお出版、pp. 91-121)に執筆。先生・学生ペアによる日・英語会話における問いかけの使用を分析し、観察された異なりについて社会文化的観点から考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2014年3月、「問いかけ発話に見られる先生と学生の社会的関係―日英語の対照を通して」『解放的語用論の挑戦―文化・インターアクション・言語』を執筆したことは、「日本語と英語の質問の型、及び、インターアクションの型を明らかにする」という研究目的の達成に向けて大きな一歩となった。また、2014年3月、英語教育分野の学会において研究発表を行い、研究成果の英語教育への活用という目標に向けて前進した。
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今後の研究の推進方策 |
26年度以降は、以下の計画を推進する。 (1)より妥当な方法論、データ解釈を追究するため、国内外の文献にあたるとともに、研究会や学会での議論を通じて、知見を深める。(2) 国内外のジャーナルへの投稿を行う。(3) 国内外の学会で研究発表を積極的に行う。社会言語学、語用論の分野のみならず、英語教育分野での研究発表を行い、研究成果の英語教育への活用を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年7月、国際語用論学会(インド)における研究発表を予定し、出張費を予算に計上をしていたが、校務により実現しなかった。 2014年6月、Sociolinguistic symposium 20 (フィンランド)における研究発表を予定している。2013年度に未使用であった海外出張費を当出張に充てる。
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