本研究では、質問行為を相手の発話を聞いて反応する「聞く行為」の一部として位置付け、日本語とアメリカ英語の「教師と学生」および「学生同士」の会話における質問行為を分析した。日本人の質問は、教師が学生の話を膨らませるように問いかけるなど、相手との社会的役割関係に応じて用いられるのに対して、アメリカ人の質問は、情報や意見を引き出しあうことで相互の対等性を維持するように発せられる。英語コミュニケーション教育においては、日英語の異なる会話スタイルへの理解を促し、質問など積極的な反応を用意する聞き方を訓練する必要がある。
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