研究課題/領域番号 |
25370734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
飯野 公一 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (50296399)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 社会言語学 / 留学 / 異文化理解 / コミュニケーション / 非英語圏 / 国際理解 / 英語 / 外国語 |
研究概要 |
(国際理解能力測定尺度作成)本研究の目的である「非英語圏への留学経験が国際理解に与える影響」を調査するために、留学の前と後に国際理解能力を測定するための尺度を作成した。「国際理解能力測定」のための質問項目として「英語について(EN)」、「英語以外の外国語の学習意欲(FL)」、「他国文化理解・関心(CU)」、「世界連帯意識の育成(WS)」、「異文化コミュニケーションに対する態度(CA)」の5つの要素に分けられた各10問の質問を作成した。 (パイロットスタディ)「国際理解能力測定」(Ver.0.1)を、勤務校のオンライン学習支援システムCourseN@vi上に移植し、平成25年度夏期短期留学プログラム参加者446人に試験運用した。その結果を踏まえて修正・追加した内容のアンケート調査プログラムを平成25年度(平成26年2~3月実施)春期短期留学プログラム参加学生292人に対して実施した。 (留学ポートフォリオ設計)本研究では、「国際理解能力」のほかに、英語能力試験のスコア、英語以外の外国語の資格等取得状況、海外留学の経歴などのデータも使って、留学経験と語学習得および国際理解の関係を調査・分析しようとしている。そこで「国際理解能力」の指標以外のデータは、勤務校で現在構築中の「留学ポートフォリオ」を使ってデータ収集する準備を行っている。「留学ポートフォリオ」は、勤務校のすべての学生の個々の海外留学経験の記録をポートフォリオとして記録するシステムである。本研究は、勤務校の「留学ポートフォリオ」構築担当者と協力しながら、平成25年度は同システムに含める情報・項目の検討を行い、「留学ポートフォリオ」を設計した。このシステムの稼働により、来年度からは、「留学ポートフォリオ」から個々の学生の海外旅行経験、留学経験、英語能力試験のスコア、英語以外の外国語の資格等取得状況も収集する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は予備調査が計画されていたが、おおむね順調に進展した。「国際理解および異文化コミュニケーション能力の測定法(国際理解測定法)」を作成し、勤務校留学プログラムに参加した学生へオンラインシステム上でアンケート調査を実施した。また、留学ポートフォリオの構築もほぼ完成させ、運用のテストが進んでいる。これにより、重層的なデータ収集が可能となる。当初予定されていたフォーカスグループへのインタビューについては、参加者の選定等に遅れがあり、今後すみやかに実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は本調査が開始され、オンラインシステム上でのアンケート、ポートフォリオの運用開始、フォーカスグループのインタビュー、留学先でのエスノグラフィック調査を実施する予定である。また、パイロットスタディーで収集したデータを分析することによって、効果的な調査方法に関して常時見直しを行っていく。 特に、、平成26年度秋学期から長期留学グループ(第一グループ)が留学を開始することから、留学前にアンケート調査を実施し、フォーカルグループ参加者との連絡体制を整備する。また、研究代表者と協力者1名がアジアの非英語圏留学先を訪問し、エスノグラフィーの手法を用いて、調査する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初購入を予定していたデータ処理用パソコンを、アンケート処理システムとポートフォリオシステムが完成する次年度に延期したため。 データ処理システム環境を適宜整備していく予定である。
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