研究課題/領域番号 |
25370735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
ソジエ内田 恵美 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00350405)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | クレオール語 / 母語教育 / ポストコロニアリズム / アフリカ / 英語 / 貧富の差 |
研究概要 |
本年度は8月にモーリシャス共和国にてフィールドワークを行い、2011年に初等教育に導入されたクレオール語教育はなぜ始まったのか、現在どのように行われているか、学生や教員からどのように受け取られ、どのような問題に直面しているか、を以下の通り調査した。(1) Ministry of Education and Human Resources(現地の文科省)から支援を得て、18の中学校を訪問し、1127名の学生対象にアンケート調査を実施した。(2) モーリシャス国立大学にて219名の学生対象にアンケート調査を実施した。(3)4つの公立小学校を訪問し、クレオール語と英語の授業を観察した。(4)クレオールの標準化・初等教育導入への大きな役割を果たしたHookoomsing氏(Akademi Kreol Morisien)、 Virahsawmy氏(作家・活動家)へのヒアリング(録音)を行った。また、 クレオール語の教員育成・教科書作成を行った Mauritius Institute of Educationにて、Ragoonundun氏、クレオール語運動を担ったNPO団体 Ledikasyon Pou TravayerのAh-Vee氏、 Lindsey氏、Mauritius Examination Syndicate代表のFinette氏などにもヒアリング(録音)を行った。(5)モーリシャス国立図書館にて、種々の文献収集を行った。 これらの調査には次年度に計画していたものも含まれるが、これは現地文科省から期待以上の全面的援助を得られたために実現した。今まで本研究に該当するような大規模なクレオールに関する調査が行われたことがないため、研究結果が示唆するところは大きい。9月以降には、これらのデータのデジタル化を進め、完了した。現在はデータ分析、文献調査を行いながら、論文を執筆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現地のMinistry of Education and Human Resourcesから前面的な支援(学校の選択、紹介、2日間は車による案内)を得て、当初平成26年に予定していた18校の中学校(都市部・村落部・公立・私立・男子校・女子校)でのアンケート調査、4校の小学校の英語とクレオール語授業の観察を実施したため。
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今後の研究の推進方策 |
まずはデータの分析を進め、その結果を論文にする。データ分析に時間が取られ、クレオール語の歴史研究が遅れているので、並行して進めていく。 当初、本年度8月に二回目のフィールドワークを予定していたが、すでに収集したデータの分析・執筆を先に行いたい。調査結果を現地文科省に提出することで、その次の段階の調査へも支援が期待できるからである。二回目のフィールドワークは若干時期をずらして、平成27年年3月頃を予定している。
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