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2014 年度 実施状況報告書

モーリシャス共和国におけるクレオール語標準化・公教育への導入過程の分析

研究課題

研究課題/領域番号 25370735
研究機関早稲田大学

研究代表者

ソジエ内田 恵美  早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00350405)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードクレオール語 / 母語教育 / ポストコロニアリズム / アフリカ / 英語 / 貧富の差
研究実績の概要

平成26年度に予定していたモーリシャス共和国でのフィールドワークは、平成25年度に現地の文科省からの支援が得られたため、予定を前倒しして行った。よって、本年度は収集したデータの分析と、文献研究、執筆をおもに行った。
中学生1126名対象に行ったアンケートデータの分析では、都市と村落でのクレオール語に対する態度の違いが統計的な有意をもって示された。(1)都市部の学生のほうが、村落部の学生よりも、標準化されたクレオール語に精通している。(2)しかし、村落部の学生のほうが、都市部の学生よりも小・中・高・大学すべての段階で、クレオール語が導入されることを望んでいる。(3)そして、村落部の学生、そして女子学生は、クレオール語がモーリシャスの公用語になることを、都市部の学生、そして男子学生よりも強く望んでいる。
これらの結果は、クレオール語が社会的弱者によって特に歓迎されていることを示している。エリート校の多い都市部では社会資本として価値の高い言語(英語・仏語)が評価される傾向があるが、貧困率の高く学力レベルの低い村落部において、また女子学生にとって、クレオール語は彼らの学習を助ける補助言語としての価値を示している。
本研究ではエスニシティによる意見の違いも有意だった。(4)アフリカ系、フランス系、クレオール系の学生は、インド系、中国系の学生よりも、クレオール語が公用語になることを望み、またこれから奨励されていくべきだと考えている。フランス語とアフリカ言語が混合したクレオール語に対して民族的な繋がりを感じる人々と、そうでない人びとがいる。これはクレオール語がまだ、モーリシャス共和国の国家の言語としての地位を得るに達していないことを示してる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データの収集は順調にいき、興味深い統計結果も出ている。文献資料も
集まり、現在執筆中である。

今後の研究の推進方策

2回目のフィールドワークを3月に予定していたが、
前回予定以上のデータが集まったため、平成27年度の8月に
行う予定である。平成27年度は最終年度であるため、論文執筆を
完了し、国際ジャーナルへの投稿を早い段階で実現する。

次年度使用額が生じた理由

平成26年3月に予定していたフィールドワークを8月に延期したため。

次年度使用額の使用計画

8月にモーリシャス共和国を訪問し、資料収集やインタビューなどを
行う。

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公開日: 2016-05-27  

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