研究実績の概要 |
今年度は、アンケート・データの分析を精緻化し、論文執筆に取り組んだ。また、本研究のデータ(2013年実施)を前回の調査データ(2011年)と比較した。また、自由回答箇所に内容分析を行った。執筆した論文を国際ジャーナルに投稿した。主な結果は以下の通り。(1)【言語使用】2011年と比較して、日常における英語・クレオール語の使用が増え、フランス語使用がやや減少した。(2)【促進すべき言語】農村に住む学生、大学生はクレオール語が促進すべきと考える傾向が高い。また、都市部においては女性が男性よりもクレオール語を支持する傾向が高いが、農村部においては男女の差は見られない。宗教と民族性(ethnicity)は、言語に対する意見に統計的に有意な影響力を持たない。(3)【学校におけるクレオール語使用】女性より男性、とくに農村部の学生が、学校におけるクレオール語使用を支持する傾向がある。2011年と比較すると、2013年には、農村部においてクレオール語使用支持の減少が観察された。(4)【言語への印象】どの言語に対してもポジティブなものが多かった。①クレオール語に対しては、mother tongue, Mauritius, countryなどのポジティブなものが多かったが、女性から vulgar (都市部)やrough (農村部)など、ネガティブな印象も存在した。Slaveryなど歴史的なイメージは少数だった。②英語は、international, universalなどが多くあげられ、特に都市部男性からはstandard, classicなどの評価が与えられた一方、農村分女性からはBritish ruleの言及も見られた。③フランス語は、easy, good, politeなどが挙げられ、④祖先の言語には、tradition, root, religion などが挙げられた。
|