コンテンツバランスの管理については、CATに関する国際会議やワークショップに 参加して情報収集を行なった結果、本研究のように小規模なテストの場合、1問ごとに項目選択を行なう従来の短問式のCATよりも、複数の設問を束ねていくつかの段階を踏むマルチステージテスト(MST)の方が適していることが分かった。そのため、平成28年度から3ヵ年計画で、別途「オープンソースを利用した小規模英語能力測定マルチステージテスト開発」という研究課題を立て、研究を継続することとした。 教育心理学的側面に配慮するために、LMS上でCAT目標正答確率の調整を行なうモジュール(M-UCAT)は、平成25年度に全体だけでなく部分的に調整できるように、デフォルトの目標正答確率の他に、テスト序盤S問とテスト終盤T問の目標正答確率の調整も可能にし、そのソースを公開した(https://github.com/VERSION2-Inc/moodle_ucat)。また、平成26年度にはLMSから独立した環境(Concerto)でCATを実施し、LMSとの間をデータ連携させる方法を発表し公開するとともに、平成27年度にはConcerto上で潜在ランク理論(latent rank theory: LRT)に基づく分析を可能にするR環境のプログラムを発表し公開した(https://app.box.com/v/R-LRT)。
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