研究課題/領域番号 |
25370750
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
外川 昌彦 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (70325207)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 岡倉天心 / タゴール / ヴィヴェ-カーナンダ / ベンガル / インド / アジア |
研究実績の概要 |
本年度は、研究の2年目として、調査資料の収集・整理を進めるとともに、その成果をとりまとめ、適宜、国際学会での報告や、学術雑誌に論文などの形で公表する作業に取り組んだ。 具体的には、平成26年度には、2冊の共編著、5冊の共著、5本の査読付き論文、及び、その他の4本の論考を出版した。また、バングラデシュ大使館での招待講演を含む、国際会議での9回の成果報告と、国内研究会での2回の報告を行った。 これらの中では、本プロジェクトの直接的な成果として公表された論考は、近代インドを代表する詩人タゴールと岡倉天心との直接的な交流の経緯を検証した、「シャンティニケトンの岡倉天心―1902年の英領インドにおけるタゴールとの出会いについて」、(『南アジア研究』第25号、2014年、pp.31-44.)、近代インドのヒンドゥー教改革運動をリードした宗教思想家スワーミー・ヴィヴェーカーナンダと岡倉天心との交流を検証した、「岡倉天心とヴィヴェーカーナンダの交流―日印文化交流の源流」(1)~(4)(『不滅の言葉』2014年5月、7月、9月、11月号、Vol. 55。)などである。 その他、「宗教と社会」学会の創立20周年記念の学会企画として編集された、『アジアの社会参加仏教-政教関係の視座から』(北海道大学出版会)では共編者としてその取りまとめを行った。また、人間文化研究機構のNIHUプロジェクト・現代インド地域研究とイスラーム地域研究の連携事業研究会・基礎研究班の成果として編集された、『イスラームとNGO―南アジアからの比較研究』(NIHU Research Series of South Asia and Islam 6)でも、共編著としてその取りまとめを行った。 以上のように、26年度は、資料の収集と分析を行うとともに、その多様な研究成果を国際会議で報告し、また論考として、様々な雑誌に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、プロジェクトの2年目として、その成果のとりまとめや、国際学会での報告、学術雑誌への論文の投稿などを通して、様々な形でその研究成果を問うことができた。平成26年度中の成果として、2冊の共編著、5冊の共著、5本の査読付き論文、及び、その他の4本の論考を出版できたことは、当初の計画に沿った形での、順調な研究成果の取りまとめと公表を行っていると考えられる。特に、東京のバングラデシュ大使館での招待講演など、国際会議での成果報告は、その成果の積極的な社会への還元として、評価することができる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方法として、引き続き27年度も、研究成果のとりまとめとその報告を行っていく計画である。これまでの研究調査を通して、インドでの岡倉天心の活動を理解する上で、特に、仏教の聖地ブッダガヤでの活動を検証することの重要性が明らかとなり、本年度はその中でも鍵となる、英領期を代表する仏教復興運動家のアナガーリカ・ダルマパーラと岡倉天心との交流について、検証を進める計画である。また、12月には東京外国語大学で第4回国際ベンガル学会が開催され、この学会にはこれまで事務局次長として関わってきたこともあり、日本での学会の組織、運営、開催などを通して、これまでの研究成果を活用してゆく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、主にインド側の史料の検証を行い、出張経費の嵩むイギリスの資料館での調査を次年度に回したこと、及び、27年度には本研究テーマに関する研究会を開催する予定のため、出張費などの支出を確保する必要があったため。
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次年度使用額の使用計画 |
本テーマに関する研究会を組織し、また、海外での資料収集のための出張計画を組むことで、当該年度中の予算の執行を行う計画である。
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