本年度は、計画の延長期間の最終年度として、研究成果のとりまとめとその公開を中心とした研究を実施した。具体的には、本研究課題に関する研究成果として、査読付き論文として、次の二本の論考を公開した。①岡倉天心のインドでの活動について、日本では未公開の資料に基づき、その近代の仏教復興運動に関わる新たな側面に光を当てた論考を、『アジア・アフリカ言語文化研究』(92号)に掲載した。②これと関連する近代インドの宗教運動と英領インド政府との関わりを検証した論考を、『日本研究』(第53集)に掲載した。また、一般の読者に向けた啓蒙書(『名著で読む世界史100』山川出版社)に、タゴールについて紹介する論考を掲載した。 また、本研究計画に関わる成果報告として、本年度は海外での積極的な発信を試み、国内外の学会などでの報告は18回を数えた。そのうち、本研究に関する海外からの招待講演は、次の通りである。アジア協会(カルカッタ・インド、2017年3月15日)、デリー大学(デリー市、2017年3月17日)、国立タゴール国際大学(シャンティニケトン、2016年8月26日)、国立ジャハンギルノゴル大学&ウットラ大学(ダッカ・バングラデシュ、2016年8月5日)などで、報告を行った。 国内での研究報告としては、「宗教と社会」学会(2016年6月11日)、東京外国語大学AA研(2016年6月16日)、京都大学INDAS研究会(2016年7月20日)、日本宗教学会(2016年9月11日)などで報告した。また、その成果の社会への還元という形で、日本サルボダヤ交友会(2016年10月2日)、4大学連合文化講演会(2016年10月28日)、国立ジャハンギルノゴル大学(ダッカ、2016年12月6日)、ディスカバー・インディアクラブ(2016年12月18日)などで、招待講演を行った。
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