研究課題/領域番号 |
25370754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
高橋 秀寿 立命館大学, 文学部, 教授 (70309095)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 空間 / 主権 / ホロコースト / 記憶 / ドイツ |
研究概要 |
今年度は7月20日に佐藤成基氏(法政大学)を招き、麓慎一氏(新潟大学)をコメンテーターにして「領土の喪失/故郷の喪失――戦後ドイツにおける被追放者たちの政治」と題して、10月12日には麓慎一氏を招き、水谷智氏(同志社大学)をコメンテーターにして「帝政ロシアによる露領アメリカ経営と環太平洋における海洋秩序の変容について」と題して、10月15日には番匠健一氏(立命館大学)を招いて、藤原辰史氏(京都大学)をコメンテーターとして「近代日本における内国植民論の位相――北海道、ドイツ、アメリカとの思想史連関から」と題して研究会を開催した。さらに、12月21日には長志珠絵著『占領期・占領空間と戦争の記憶』(有志舎 2013年)の書評会を本人(神戸大学)を招き、戸邉秀明氏(東京経済大学)と福間良明氏(立命館大学)を書評者として行った。さらに3月24日には水谷智氏を招き、山下範久氏(立命館大学)をコメンテーターとして「英領インドにおける植民地的遭遇と女性たち――法・道徳・境界」と題して研究会を行い、書くそれぞr活発な議論を展開し、意見を交換し合うことができた。 この研究会の準備のために私は主権論を研究し、ヴァルター・ベンヤミンやカール・シュミット、ジョルジュ・アガンベン、シャルタン・ムフなどの著作を検討し、自らの研究課題であるホロコーストの記憶と主権国家の変化との関係を分析した。その成果は2014年度中に刊行予定である自著において展開するつもりである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の2013年度は多くの研究会を開くことができ、意見交換を盛んに行うことができた。とくに植民地主義論に関しては興味深い研究会を開くことができた。また、自らの研究も大きく前進し、著作の刊行に目星がついてきた。
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今後の研究の推進方策 |
植民地論と空間論に関しては多くの議論を展開することができたが、研究会に関していえば、主権論に関しては全く手付かずの状態だった。そこで今後は主権論を中心に研究会を進めていくことにするが、すでに『人民主権について』を法政大学出版局から出版している早稲田大学の鵜飼健史氏を、さらに『<帝国>』で世界的に有名になったアントニオ・ネグリ/マイケル・ハートの著作の翻訳者として知られている大阪産業大学の水嶋一憲氏を招いて研究会を行う計画になっている。 個人研究としては空間論を時間論と結合させることで、研究を発展させていくつもりである。
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次年度の研究費の使用計画 |
適正な研究費執行を行っていった結果、端数残が生じた。 残額は雑費として使用し、次年度には計画通り研究会活動を中心として使用していく。とくに主権の問題に関する研究会と書籍の購入などに使用していくつもりである。
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