2015年度には研究会を5回行い、シンポジウムを一回開催した。 5月29日には韓国成均館大学校の玄大松氏が「韓国領土ナショナリズムの構造」に関して研究報告を行い、コメンテーターとして徳島大学の樋口直人氏、立命館大学の庵逧由香氏を招いた。また、8月1日には研究代表者の高橋秀寿が「「空間論的転回」以降の空間とナショナリズム-現代ドイツの極右主義を題材に-」を、徳島大学の樋口直人氏が「日本の極右と国境問題-極右業界のマッピングと八重山地域紛争の分析-」の研究報告を行った。さらに10月5日にはベルリン在住のジャーナリストのふくもとまさお氏を招いて研究会「戦後70年―戦争加害国ドイツの話をしよう」を開催した。そして12月12日には北海道大学から山崎幹根氏をお招きして「連合王国の統治システム変容―スコットランドの領域政治を中心に」に関する研究報告を行っていただき、立命館大学の大村和正氏がコメンテーターを勤めた。最後に翌年1月27日に同志社大学の内藤正典氏が「内戦・難民・テロから考える領域国民国家体制の限界」と題する報告をおこなった。 2月27日には沖縄県の沖縄大学で沖縄大学地域研究所の協力を得てシンポジウム「沖縄に折り畳まれた複数の空間性 いま、なぜ、どのように沖縄現代史を書くか ―櫻澤誠『沖縄現代史 米国統治、本土復帰から「オール沖縄」まで(中公新書2015年)をめぐって―」を開催した。このシンポジウムは研究会の主要メンバーである立命館大学の櫻澤誠氏の近著『沖縄現代史』をめぐって、これまでの研究会の成果を沖縄という現代史の舞台において行い、沖縄の研究者および市民と交流することを目的とした。司会を兼ねて、研究代表者の高橋秀寿がシンポジウムの趣旨説明を行い、報告者として沖縄タイムス編集委員の謝花直美氏、神戸学院大学の松田ヒロ子氏、大阪大学の大野光明氏がパネラーを務めた。
|