• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

アムール川下流域で生産された装飾品及び外来交易品の周辺諸民族への波及に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370755
研究機関北海道博物館

研究代表者

東 俊佑  北海道博物館, 研究部, 学芸員 (30370224)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード交流史 / 北海道史 / 北方諸民族
研究実績の概要

平成27年度は、過去の国内・海外調査の成果を踏まえ、基本文献や先行研究の読み込み、及び分析を行い、年度末に研究代表者の勤務する職場(博物館)の展示会(特別展、及びクローズアップ展示)において、研究成果の一部を展示するという形式で、成果の公表を行った。
本研究の分析対象の一つである(衣装等に吊り下げる)金属製の下げ飾りについては、平成26年度の調査において、アムール川下流域のボゴロツコエ村、ブラワー村、ニコラエフスク・ナ・アムーレ市においても、サハリンやハバロフスク市に所在するものと同系統のものが確認され、アムール川下流域からサハリンにかけての広範な範囲における物の移動、交易の実態が示唆された。平成27年度に翻訳を行ったロシア語文献(Н.А.Мамчева「Нивхские подвески」)においても、中国人や満洲人を媒介とした交易の様子、アムール川下流域の諸民族自身による再鋳造による下げ飾りの製造の事実が指摘されており、調査の成果を裏付けるものとなった。
もう一つの分析対象である中国製絹織物については、平成26年度の調査において、赤地・紺地牡丹文の切れを発見した。これを今年度、関連する文献や国内所蔵資料と比較検討したところ、非常によく似た切れが「蝦夷錦」として日本国内の軸物の軸装や衣装の一部に縫い合わされていることがわかった。こうした研究の成果は、研究代表者の勤務先である北海道博物館の特別展「夷酋列像-蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界」の展示図録の解説文に反映させたり、クローズアップ展示「北のシルクロード-サンタン交易をさぐる」において成果の公表を行った。

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi