本研究では、「東アジアにおける日本古代文書論の再構築」を目指して、〈文書の機能〉、〈紙と木の使い分け〉、〈文書伝達と口頭伝達との関係〉に注意を払いながら、木簡・古文書・編纂史料の相互比較をおこなった。研究成果は多岐にわたるが、日本古代木簡の視覚機能という新たな視点を打ち出したこと、日本古代木簡の源流に関する見通しを得たこと、文書伝達のあり方を明らかにしたことが、特に大きな成果としてあげられる。研究成果は複数の学会報告・雑誌論文・図書などの形で公表した。学会報告は中国・イギリス・フランスでもおこない、図書のなかには韓国語に翻訳された図書もあり、研究成果を国内外を問わず発信できた。
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