研究課題
基盤研究(C)
〈後進東北〉は戦後的物語であり、高度経済成長期に生れた。農村から都市への労働力移動の必然性として、最大の農村地帯東北社会の後進性が強調された。農村生活の価値を低め、都市生活の価値を高めるためには、後進地を特定し、先進地の優位を創出する必要があり、〈後進東北〉の創出とはそうした国家的機能の一環として位置づけられた。明治維新期から敗戦までの〈東北〉論と、戦後〈東北〉論とを結合させることで、近現代日本史の新たな全体像が提示できた。
日本史