研究課題/領域番号 |
25370792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
大谷 正 専修大学, 文学部, 教授 (50127198)
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研究分担者 |
瀬戸口 龍一 専修大学, 総務部大学史資料課, 課長 (30645916)
永江 雅和 専修大学, 経済学部, 教授 (70327980)
黒沢 眞里子 専修大学, 文学部, 教授 (40338588)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 日本近代史 / 相馬永胤 / 専修大学 / 横浜正金銀行 / 彦根藩 / 海外留学生 |
研究概要 |
本研究は専修大学が所蔵する、本大学の創設者であるとともに、明治・大正期にかけて教育者・弁護士・銀行家として活躍した相馬永胤に関わる資料群の整理・調査・目録作成および明治9 年から大正13 年という約50年にわたって書き綴られた日記の翻刻作業を行うもので、この基礎的作業および公開体制確立、資料群の分析・研究を通して、①士族と旧藩の関わりの実態解明。②明治初期の海外留学生の実態解明。③横浜正金銀行の経営実態および明治政府の財政の関係の実態解明をめざすものである。 平成25年度の研究計画は、①相馬文書の整理と目録作成ならびに公開体制確立の前提として、資料の写真撮影とデジタル化を進め、並行して②相馬永胤日記の翻刻および③研究会の開催を行うというものであった。 本年度の研究実績は、①に関しては、相馬文書の主要部分である米国留学期の資料および相馬日記については写真撮影とデジタル化を終え(資料全体の約三分の一が完了)、その資料整理の現状については、「大学アーカイブスの保存と活用についての一考察-専修大学所蔵相馬家文書の現状と課題」(瀬戸口龍一執筆、『専修大学史紀要・第6号』(平成26年3月刊行))において詳細に報告した。②については米国留学期の日記・資料の翻刻をはじめ、来年度以降にその一部を専修大学史紀要に掲載予定である。③については研究会議を3回開催し、本科研のメンバーおよび報告依頼した外部研究者が、相馬文書・日記に関する研究報告3本と米国留学に関する研究報告1本を報告し、討議をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①資料の整理の体制を樹立し、資料公開のあり方について検討を始めた。 ②資料の主要部分の写真撮影とデジタル化を行い、さらに来年度以降の写真撮影・デジタル化および整理作業の予定を立て、その内容を論文として『専修大学史紀要』第6号に掲載して公表した。 ③米国留学時代の相馬日記(英文)の読解と翻刻に取り掛かった。 ④研究会議を3回開催し、合計4本の研究報告を行い、討議した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度創りあげた資料整理の体制に従い、着実に相馬永胤文書の写真撮影・デジタル化および整理を進めるとともに、平成26年度には相馬永胤や他の専修大学創設者が若き日に米国留学を行った諸大学(コロンビア大学、エール大学、ハーバード大学、ラトガース大学など)を訪ね、留学中の資料を調査するとともに、当該大学の大学文書館等との交流を検討する予定である。 日記の翻刻については、米国留学期の翻刻に重点を置きつつも、相馬の財界人としての活動が盛んになる日清・日露戦争期についても試験的に翻刻を試みたい。 研究報告を着実に積み上げるとともに、これらの研究成果の積み重ねの上に、相馬文書の整理・公開・利用に関する、公開のシンポジウムの実現に向けて検討したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
相馬文書の写真撮影・デジタル化については、当初、全体量の二分の一程度の撮影・デジタル化を予定していたが、専門的知識を持つ人材を確保するのが困難であったため、主要部分の日記と米国留学期の資料を中心に、約三分の一の実施にとどまり、また、日本国内で予定していた資料調査を実施することができなかった等の事情で、支出金額が予定額に達しなかった。 平成26年度は、相馬文書の写真撮影と必要な部分のデジタル化を完了させる予定である。また、相馬の米国留学先であった米国のコロンビア大学とエール大学での調査および国内での資料調査を行う予定であり、このための旅費が必要となる。 また、日記の翻刻については、科研のメンバーだけでなく、崩し字(英文と日本文)を解読することのできる人材に依頼して翻刻作業を進めるので、このための支出が生じる予定である。
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