研究課題/領域番号 |
25370807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
桶谷 猪久夫 大阪国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (90169269)
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研究分担者 |
原 正一郎 京都大学, 地域研究統合情報センター, 教授 (50218616)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 連携検索システム / 日本古典文献 / 中世史 / 地名辞書 |
研究概要 |
本研究は、歴史史料を対象に、文書構造や歴史的記述方法に着目し設計された英日全文連携検索システムを開発し、インターネット上に公開することにより、歴史学研究を援用し、さらに、国際的なコラボレーションを促進する研究である。最終的には、日本古典文献36巻のデジタル化とデータベース化を目標にしている。また、文献情報と古典史料を取り扱うとき重要な地理情報との連携化を開発する。レイヤー構造を持つ古地図と現在のデジタル化された標高地図を用い、現存する何百もの地理的、歴史的データを挿入していく計画である。これにより、研究者は、あらゆる文献に記されたすべての事象、たとえば神社の空間的、時間的な設定を、瞬時に同じ画面上に参照可能になる。さらに、現在、構築した地図・地名辞書データベースの拡張を行い、その時空間情報処理システムと日本古典史料の英日全文連携検索システムとの連携化を実現することを目標にした研究である。 平成25年度の研究実績は、以下の通りである。 (1)Izumo Fudoki(出雲風土記)、 Harima Fudoki (播磨風土記)、Bungo Fudoki(豊後風土記)、Hizen Fudoki(肥前風土記)、Hitachi Fudoki(常陸風土記)の日英本のディジタル化、XMLのタグ付け、また、英日全文連携検索システムを実現した。さらに、地名辞書との連携化を実現した。(2)Shinron(新論)のディジタル化とXMLのタグ付けを完成させた。(3)Nitto guho junrei gyoki(入唐求法巡礼行記)のディジタル化を完成させた。(4)六十六部日本廻国のマッピングとトラッキング -善統不軽の廻国、越後金益の六十六部廻国、六十六部権右衛門聖地選択-システムを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度は、日本古典史料の文書構造と歴史的記述方法に着目した検索手法を開発し、各文献に対して、文書構造や相互関連から有効で効率的な検索を可能にするXMLのタグ付けを定義した。具体的な構築データベースとして、Izumo Fudoki(出雲風土記)、Harima Fudoki(播磨風土記)、Bungo Fudoki(豊後風土記)、Hizen Fudoki(肥前風土記)、Hitachi Fudoki(常陸風土記)である。また、Shinron(新論)、Nitto guho junrei gyoki(入唐求法巡礼行記)等について、ディジタル化とXMLのタグ付けを行った。また、歴史的データと時間軸(年代)を設定可能な地理情報システム(GIS)との連携化を開発し、その基盤であるデジタル地名辞書との連携化を実現した。 六十六部日本廻国のマッピングとトラッキング -善統不軽の廻国、越後金益の六十六部廻国、六十六部権右衛門聖地選択-システムを構築すると共に、デジタル地名辞書に、神社・寺院情報を格納し、地名辞書の拡張を行った。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は当初の予定通り、(1)Shinron(新論)とNitto guho junrei gyoki(入唐求法巡礼行記)のXMLタグ付けの完成と英日連携検索システムの構築を行う。(2)Nitto guho junrei gyoki(入唐求法巡礼行記)については、英日連携検索システムの構築を行うだけでなくデジタル地名辞書との連携化を実現する。(3)Heike Monogatari(平家物語)の英日連携検索システムの構築を行う。(4)現在、巻第十八まで完成しているTaiheiki(太平記)のそれ以降の翻訳作業を進める(海外研究協力者、南カリフォルニア大学 Joan Piggott教授)。
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次年度の研究費の使用計画 |
出張先(University of California,Berkeley)との日程調整ができずに、海外出張を取りやめた。 26年度は、打合せのため2回の海外出張(University of California,Berkeley)を計画している。また、作業が多いため、謝金が少し増額することを考えている。
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