研究課題
基盤研究(C)
本申請研究は、平安時代になると木簡が急速に減少する事実を、律令制の変質との関係で明らかにすることを目的としている。まず、現在出土している平安時代木簡4251点を網羅的に集成した。次いで、その機能と内容を検討し、木簡が減少する要因は、都城木簡の減少、荷札の消滅、削屑の減少に求められ、その背景に文書木簡の可視化・大型化した利用を見出した。以上を踏まえ、平安時代における木簡の減少は、文書行政の深化、紙の文書の日常化と、それに対応して広まる木の堅牢性を重視した使用によるものと理解した。
日本古代史