| 研究課題/領域番号 |
25370827
|
|---|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 研究機関 | 新潟大学 |
|---|
研究代表者 |
山内 民博 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40263991)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
| キーワード | 身分制 / 朝鮮史 / 韓国史 |
|---|
| 研究概要 |
本研究課題は、19世紀朝鮮の周縁的社会集団について、裁判史料をはじめとする諸史料から接近し、生業や組織、社会的位置などについて検討することを目的としている。本研究は、裁判および身分史関係史料の調査・収集と整理、および周縁的社会集団に関連する史料の分析が具体的内容となる。研究初年度である本年度の成果・内容は次のとおりである。
＜史料の調査・収集＞
国内では学習院大学図書館などで朝鮮身分史関係史料の調査をおこなった。韓国では韓国ではソウル大学校奎章閣韓国学研究院および国立中央図書館などで裁判関係史料、身分史関係史料の調査・複写をおこなった。
＜史料の分析・研究成果の公表＞
これまでに収集した『詞訟録』、『公州牧獄事査案』など忠清道地域史料の分析を進めつつ、周縁的社会集団のひとつとして本研究が注目する屠漢集団の生業を屠牛禁令や地方官衙の動向とあわせ検討した論稿「屠牛と禁令―19世紀朝鮮における官令をめぐって―」（關尾史郎編『環東アジア地域の歴史と「情報」』知泉書館）を発表した。私屠禁令がくりかえし出されるなか、地方官衙の設置する官庖、地方官衙の公認を受けた補弊庖厨・私設公庖などの屠牛施設の存在しており、公権力と結びつく形で屠漢が自らの生業の継続を図っていた様相を、裁判・訴訟史料、地方官衙例規などを用いて明らかにした。このほかに周縁的集団の公的把握と密接に関わる19世紀末葉20世紀初頭の戸口調査と新式戸籍の性格について検討し、「19世紀末20世紀初の戸口調査と新式戸籍―地方社会における実施状況と対応―」という題目で朝鮮史研究会大会において発表した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内、および韓国での史料の調査・収集、史料集の購入など順調に進んでいる。
また、史料の分析についても、屠漢の生業について裁判・訴訟資料を用いつつ検討・発表することができた。
|
| 今後の研究の推進方策 |
引き続き、当初の予定どおり、国内外での史料の調査・収集、史料集等の購入をおこないつつ、史料の分析・研究成果の発表をおこなう。
史料の調査・収集については、国内では東京大学図書館、大阪府立図書館などで史料の調査・複写等を進める。韓国では、引き続きソウル大学校奎章閣韓国学研究院のほか、国史編纂委員会等で調査をおこなう。
史料の分析については、屠漢のほか、才人・僧侶など周縁的社会集団について、忠清道地域にくわえ、全羅道・慶尚道地域の史料も合わせて進め、研究成果の発表につなげる。また、口頭報告をおこなった戸口調査・新式戸籍に関する研究の学術雑誌への発表をおこなう予定である。
|
| 次年度の研究費の使用計画 |
パソコンソフト等物品（5441円）を平成26年3月中に納品・処理したが、支払いが4月となったため。
すでに納品済みであるため、4月中に支払いをおこなう（4月11日支払い済み）。
|
