| 研究課題/領域番号 |
25370829
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
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研究代表者 |
井上 進 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (40168448)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 明版 / 出版史 / 明代文化史 / 目録学 / 書誌学 |
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| 研究概要 |
本研究の基礎をなす明版書誌調査についてはおおむね順調に推移し、明代前半期刊本を中心に、100点足らずの原本閲覧と書誌資料収集をはたした。このうち台湾に赴いての調査は、故宮博物院および国家図書館における実質4日の調査を二回行ない、つごう40点余りを閲覧した。また国内の調査は、これまでに蓄積した書誌資料を整理する上で必要となる再調査、確認の作業を含むもので、このため新たに閲覧した版種は50点余りとさほど多くないが、主として静嘉堂および国立公文書館に赴いての調査を行ない、満足すべき成果を収めた。なお台湾における調査の成果としては、故宮博物院との協力関係が進み、研究上の交流や相互理解が深化したことも特筆しておきたい。2014年には同院において観海堂蔵書展が開催されるのであるが、この展覧に当たっては、観海堂に関する論文を『故宮文物月刊』誌上に掲載する予定で、その準備はすでに完了している。
また収集された書誌の整理、知見目録化については、本年度の調査分を上回る100点余りをこなし、また台北所見の書誌については、部分的な目録の公開を開始した。つまり書誌の整理についても、相当の成果を挙げたと言えるのであるが、これまでに蓄積された書誌のうち、既整理分は1100点程度である一方、未整理分は1800点程度にのぼると見込まれ、この未整理分を減らすためには一層の努力が必要である。
また本研究に関わる基礎研究として、『明史・選挙志』の訳注作業を進めていて、その前半部分については、2013年度中に公刊することを本年度研究実施計画の一部としていたが、これは予定されたとおりに完了できた。後半部分についても引き続き作業を進め、できるだけ早い時期にその公刊をはかる予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
明版書誌の調査、資料収集については順調で、当初の計画どおりの成果が得られている。また得られた資料の整理、知見目録化についても、おおむね予定どおりに進み、台湾における調査成果についての公表も開始したが、これまでに蓄積された分についての遡及的な整理、目録化については困難が大きく、依然として膨大な作業量が残っている。また本研究の周辺部分に当たる『明史・選挙志』訳注については比較的順調に進んでいるものの、出版史研究の論考などについては、資料整理、目録化のため予想以上に多くの時間がとられ、予定されたほどの成果を挙げるには至っていない。以上のような状況を総合的に評価すれば、研究全体の達成度は(2)とするのが相当であろう。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究の根幹である書誌調査については、今後もこれまでと変わることなく推進し、その整理、目録化を進める。特に台湾で調査した明版書については、すでに開始した目録の公表を継続し、研究期間終了時には『台北所見明版書録』という形にまとめることを目指す。またこれ以外の部分についても、その遡及的な整理と知見目録化を進める。さらに上記の資料整理、目録化の進展状況を勘案しつつ、得られた新資料を利用しての明代の出版史研究を進める。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
調査のための出張旅費計算に際し、実際より少なく見積もっていたため、最後になって旅費が不足する事態になり、出張を取りやめざるを得なくなった。このため少額の未使用分が残る結果となった。
2013年度の未使用分はわずかな額であり、2014年度に旅費、もしくは人件費のうちに繰り込んで使用する予定。
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