本課題研究では,ハカス共和国およびモンゴル国の関係機関と学術協定を締結し,現地の研究者と共同でハカス共和国及びモンゴル国の古代遺跡や古代テュルク・ルーン文字銘文の調査を試みた.本調査を通して、従来発表された銘文の再検証をすることもでき,また偶然とはいえ,現在でも未解明のルーン文字を含む小銘文を見つけることができた。 また本研究では,西暦9世紀から10世紀頃にかけて特徴的な文字を含む岩絵銘文がイェニセイ河沿岸のハカス方面からモンゴル高原西北部に広く分布していることが明らかになった.今後はここで得られた資料に基づき,古代クルグズ族の南進ルートやその歴史背景について明らかにしてゆきたいと考える.
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