研究課題/領域番号 |
25370835
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
大石 高志 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70347516)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | インド / 環インド洋地域 / 軽工業製品雑貨 / 商人ネットワーク / 燐寸 / 硝子 / タバコ / 慈善 |
研究実績の概要 |
2014年度には、海外での史料収集を集中的に実施し、2013年度に生じたこの方面での若干の遅れも克服した。具体的には、2014年8-9月および10月の2回、インドに渡航して、マディヤ・プラデーシュ州やデリーの文書館などで、ビーディー(在来タバコ)や硝子小物(腕輪やビーズ)などの歴史史料を閲覧し、在地軽工業製品産業の動態を工場法の関与などの観点から精査した。また、8月にはスウェーデンを訪れ、1900-20年代におけるインドへのマッチ輸出やインドでのマッチ製造事業に関する企業文書を集中的に閲覧した。 研究成果としては、「インド洋世界とインド人商人・起業家のネットワーク:植民地期における複合性と多様性」を「現代インド地域研究」の『現代インド1:多様性社会の挑戦』のなかの章として公刊した。また、5月には、社会経済史学会の第83回全国大会で、パネル「20世紀前半におけるインド社会経済の変容と日印貿易関係:消費、表象、アイデンティティ」を組織・運営した。そこでは、自身も単独で「輸出雑貨と近代インドの市場動態との連関:装身具と嗜好品を中心にして」を報告し、当該の科学研究費助成研究における、硝子小物や香水・香油関係の研究成果を発表した。 国際的な学術交流の面では、2015年8月に開催されるWEHC(世界経済史学会)でセッションの1つとして採択されている「Diversity-driven Dynamics of Economic Development: Ecological Constraints, Labour-intensive Production and Socio-cultural Representations of Consumption in Modern South Asia」のために、統括組織者として、海外のインド系研究者とも連絡を取り合いつつ、準備を押し進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2014年度には、2013年度に生じた海外での史料収集における若干の遅れを、インド等での複数回の集中的な史料調査を通じて、克服することが出来た。その他、研究成果の発表についても、関係の学会でのパネル組閣やその中での個別発表、関係の論稿公刊により、積極的な発信を行うことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度には、史料調査を海外および国内で、更に進展させる予定である。とくに、インドでは、ビーディー(在来タバコ)や硝子小物(腕輪やビーズ)関係の歴史調査を、文書館と個別商家の双方で、押し進めたい。また、研究発表も、国内外の学会や会議集会などで、精力的に行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度における複数の集中的な海外出張とそれによる資料収集により、2013年度に未使用となった額の相当部分は、使用されたが、一部が残留しているかたちとなっている。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度には、引き続き、資料収集や研究発表のための海外出張を行う予定であるので、残額は、予定通りに使用される。
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