最終年度は、10月9日(日曜日)に駒澤大学本部棟中会議室において、公開ワークショップを開催した(参加者は35名)。発表者及び発表論題は次のようなものであった。大城道則「なぜプスセンネス1世は銀の棺に埋葬されたのか:第21王朝におけるリビアの影響」(Why was Psusennes I buried with a Silver Coffin?: The Influence from Libyan Culture)、小林慧「第三中間期におけるカノポス容器の変遷」(The Various Transition of Canopic Jar in the Third Intermediate Period)、ペネロペ・ウィルソン「サイスにおける発掘調査20年」(The Archaeological Survey of the Last Twenty Years at Sais)。 研究期間全体を通じての目的はおおむね達成された。テロ関連により、ヨーロッパの政情が不安定であったため、当初計画していたフランス等への資料調査が実施できなかったが、その代わりに、2014年度から2106年度の間に、研究課題である第三中間期研究を専門とする研究者三人を招聘し、三度のワークショップを開催したことで研究計画をスムーズに進行することができた。その際の発表原稿(海外からの招聘者三名と日本人研究者四名)を基に現在出版計画を進めている。まずは手始めに、研究代表者による論文「タルクイニア出土のボッコリス王のファイアンス製壷―紀元前8世紀における古代エジプトと地中海世界―」が『関大西洋史論叢』第19号に掲載された。第三中間期研究の最新の動向を取り入れたものとなっている。
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