本研究は,9世紀後半~14世紀のウイグル人によって,古ウイグル語(古代トルコ語の一種)で紙に書かれた手紙文書の訳註を目指している。ほとんどが中国のトゥルファン盆地と敦煌莫高窟のいずれかで,20世紀に発見されたものである。現在はベルリン・パリ・ロンドン・サンクトペテルブルグ・京都・北京などの図書館ないし研究機関に保存されているものであり,現時点で私が把握しているのは,実物並びに内容的に取るべき部分のある草稿を合わせて,約200件である。ほぼ全てについて原物を調査し,古文書学的情報と合わせてテキスト・英訳・訳註を提供する。
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