研究課題/領域番号 |
25370846
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | ノートルダム清心女子大学 |
研究代表者 |
鈴木 真 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (60400610)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 清朝 / 雍正帝 / 吏部 / 官僚 / 八旗 / 吏科史書 / 旗王 |
研究概要 |
本年度は研究計画書に従い,まず『愛新覚羅宗譜』(学苑出版社,1998,全30冊)・中国第一歴史档案館所蔵『玉牒』(未公刊)など清朝皇族の家譜の情報を整理し,雍正帝即位時点(康煕61年11月)でのすべての系統の旗王の顔触れを復元し,年齢・爵位・家族構成などの情報を抽出して整理をおこなった。 また,『雍正朝漢文朱批奏摺彙編』(江蘇古籍出版社,1986,全40冊)・『清代官員履歴档案全編』(華東師範大学出版社,1997,全30冊)・『雍正朝内閣六科史書・吏科』(広西師範大学出版社,2002,全83冊)等,公刊されてある程度年月が経過しているものの官僚人事の問題においては充分に活用されていない史料集を丹念に精査し,旗人官僚に関する諸データを補強した。 このうち,とくに『雍正朝内閣六科史書・吏科』は,本研究で使用する主要な史料集のひとつとして,旗人・漢人を問わず官僚の履歴等を多数含んでいる。とくに,少なくない旗人官僚について,所属の旗や肉親の名・官位のみならず,所属する旗王の名も記されている場合があり,本研究においてはきわめて有用であることを,あらためて確認し得た。この『雍正朝内閣六科史書・吏科』は人事関係の重要な情報を豊富に含む(満文史料も収録)にもかかわらず,これまでほとんど利用されておらず,きわめて多くの新たな知見・成果を得られた。 このほか,雍正年間に関する史料集・研究書で公刊されているものを購入し,旗王・旗人官僚に関するデータの収集を網羅的におこなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で主に利用する大型史料集のひとつに『雍正朝内閣六科史書・吏科』(広西師範大学出版社,2002,全83冊)が挙げられるが,前年度の精査の結果,当初の予想以上に有用な記述が豊富に収録されていることが確認できた。今後も充分な精査が必要であるが,その分,他の史料の精査が若干遅れ気味である。
|
今後の研究の推進方策 |
若干の遅れはあるが,その分,研究に裨益するデータが予想以上に多く集まりつつある。こうしたデータの収集を,『雍正朝内閣六科史書・吏科』を中心として平成26年度も継続しておこない,それら史料集を精査して得られた結果を基に,各旗王の麾下に所属するニルと旗人官僚とを可能な限り明らかにし,かれら旗人官僚が雍正年間にどのような境遇(栄達・失脚・断罪等)に在ったのかを跡付け,その特徴を確認していく予定である。
|