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2016 年度 実績報告書

清朝雍正年間の八旗改革と旗人官僚の任用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370846
研究機関ノートルダム清心女子大学

研究代表者

鈴木 真  ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (60400610)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード清朝 / 雍正帝 / 八旗 / 旗人官僚 / 吏科史書 / 移旗
研究実績の概要

本研究の目的は,清朝雍正年間(1723~1735)の八旗改革と、雍正帝による旗人官僚の任用パターンとの関係を解明することで、雍正朝における宮廷内の権力構造を再検討することにある。
平成28年度も,前年度より継続して『雍正六科史書・吏科』や『北京図書館蔵家譜叢刊民族巻』の精査をおこない,旗人官僚に関する諸データを蓄積した。今年度はとくに、旗王麾下の下五旗の旗人官僚が、雍正帝麾下の上三旗に移旗された場合の事例を収集し、どのような理由・背景があり移旗がおこなわれたのか、移旗の経過、また上三旗に移旗されて以降に当該の旗人官僚がどのような官歴をたどっていったのかという問題の解明をめざした。
移旗のパターンとしては、①目当ての旗人およびその近親のみを移旗させる、②目当ての旗人とその一族を移旗させる、③目当ての旗人の所属するニルごと移旗させる、などの違いがあり、また名目上は旗王麾下に留めたまま、実際には上三旗で任務に就かせるなど、対象とする旗人や情況に応じて、雍正帝が実情を把握したうえで細かな指示を与えていることが明らかになった。
しかしその一方で雍正帝は,すでに入関後八十年を経て旗王とその麾下の旗人との間に累代の密接な関係が形成されていたことも考慮している。とくに,厖大な数のニルを領有する八鐵帽子王家のような旗王家を廃絶することは,旗人社会に不必要な混乱を招く。そのため雍正帝は,既存の旗王制の枠組みは否定することなく,ピンポイントで効果的な再編成をおこなっていった。その効果的な方策のひとつが,特定のニルや旗人(およびその親族)をのみ,下五旗から上三旗へ移旗することであったと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 杉山清彦『大清帝国の形成と八旗制』(書評)2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木真
    • 雑誌名

      『内陸アジア史研究』

      巻: 32 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 谷井陽子著『八旗制度の研究』(書評)2016

    • 著者名/発表者名
      鈴木真
    • 雑誌名

      『満族史研究』

      巻: 14 ページ: 23-36

    • 査読あり

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公開日: 2018-01-16  

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