研究概要 |
高橋秀樹は、政治的平面におけるアゴーン(競合行為)について、発話によるアゴーンが、政治的ないし司法的意思決定を推進していく実態が、いかに民主政成立に関わったか、また、それが古典期において「弁論術」として成熟を見る土壌がいかに形成されていったか、分析を進めた。ダブリン(アイルランド)の国立考古学博物館で調査を行い、今年度の研究成果は次の論文で示した。高橋秀樹,「ヘクトルとアイアスの一騎打ちをめぐって~『イリアス』第VII書に見る強制(強請)行為~」,『資料学研究』第11号,pp.35-55,2014.4. 小林日出至郎は、社会的に管理されいた、肉体的物理的なアゴーン、すなわち運動競技ないしスポーツが、どのような価値体系を形成していったか、また、体育学的、教育学的な観点から、社会的制度と理念の分析を進めた。今年度の研究成果は次の論文で示した。小林日出至郎,「『イリアス』における競争に関する研究 - 戦争と運動競技における英雄ディオメデスを中心として -」,『新潟大学教育学部研究紀要』第6巻第1号,pp.91-97,2013.10. 田中咲子は、競技者としての優秀さが、図像的表象として記録され、個人の社会的威信を高めていく現象、及びかかる威信を誇示しあうアゴーンの分析、美術史的な類型論的分析を進めた。アテネ、エレウシス、デルフォイ(ギリシア)で遺跡調査を行い、今年度の研究成果は次の口頭報告及び論文で示した。田中咲子,「ギリシア美術における年齢表現―アルカイックならびにクラシック時代の墓碑浮き彫りを中心に」,アルゴ会第32回研究会,2013年6月30日,早稲田大学。田中咲子,「鑑賞教育-美術史からのアプローチ」,『新潟大学美術教育研究会紀要 コンコルディア』32号,pp.22-31,2013.
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