ロシアの保守思想家を分析した結果、ロシア正教聖職者の保守派が対抗したのは神秘的プラトン主義とフリーメーソンという文化傾向であり、国民啓蒙省官僚や大学教授は多民族空間としてのロシア帝国の現実を反映した保守的ロシア史観を展開したが、保守派言論人はロシア民族独自の文学や歴史学の創造の重要性を主張したが、流刑後には、ロシア帝国の多民族性の現実を認識し、民族誌研究を通じて民衆文化を研究する意義を主張し始めたことを明らかにした。結論として、欧州の啓蒙主義の危機の結果としてロシア保守思想家達はロシア文化の独自性を洞察するためのロシアの諸民族の民族誌研究を推進する必要性を認識するようになったといえる。
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