研究課題/領域番号 |
25370859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
生田 美智子 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 名誉教授 (40304068)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ジェンダー / ディアスポラ / 越境 / 表象 / 性産業 / モダニズム / 植民地 / 帝国主義 |
研究概要 |
平成25年度は、8月9-10日にかけて開催された第15回スラブユーラシア学会アジア大会で「性産業から見た日露関係」と題したパネルで「ハルビンの風俗産業で働く亡命ロシア女性」と題した研究報告を行い、国内外の研究者と知見を交換した。その時の報告は、中国語に翻訳され、黒龍江大学の紀要に掲載された。 平成25年9月3日から9月10日にかけて旧満州で調査旅行を行い、大連、ハルビン、皇山墓地、旧天理村、平房、横道河子、近藤林業七里村、鏡泊湖、牡丹江、ロマノフカ村など、亡命ロシア人が居住していた地域を調査し、住民から聞き取りを行った。研究者13名が参加し、その成果は『セーヴェル』30号(ハルビン・ウラジオストクを語る会)に全員報告した。 平成26年3日8日、東北大学東京分室で開催された東北大学東北アジア研究センター・富山大学極東地域研究センター・島根県立大学北東アジア地域研究センター主催の「東北アジアにおける辺境地域社会再編と共生様態に関する歴史的・現在的研究」プロジェクトのシンポジウム「越境する東北アジア:共生のダイナミズム」にコメンテーターとして参加し、国内外の研究者と議論をした。 平成26年1月5日、ハルビン・ウラジオストクを語る会の研究会で「女たちの満洲」と題して講演した。 『セーヴェル』30号に「ハルビンにおけるロシア人風俗女性ー日本からみた表象」と題して論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
満洲や日本では聞き取り調査が順調に進んだが、ロシア調査旅行に関しては、予定していたロシア出張の時期が身内の葬式の時期と重なり、キャンセルせざるをえなかった。
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今後の研究の推進方策 |
女たちの満洲に関し、引き続き、満洲からロシアに引き揚げてきたロシア女性や、アメリカに第二次亡命したロシア女性、日本に引き揚げてきた日本女性からの聞き取り調査を続け、日本の外務省外交史料館ならびにロシアやロシアやアメリカのアーカイブや図書館で資料を発掘する。その成果を論文にまとめ、日本では雑誌『セーヴェル』に公刊し、ロシア連邦では共著で『日本とロシア:表象のプリズムを通してナショナルアイデンティティ」と題した本を刊行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
ロシア調査を計画していた時期に長兄の不幸が重なり、葬式その他で計画の変更を余儀なくされた。 長期のロシア調査とアメリカでの調査を計画している。
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