• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

近世フランスにおける外国人と都市社会――16・17世紀のリヨンを中心に――

研究課題

研究課題/領域番号 25370861
研究機関神戸大学

研究代表者

小山 啓子  神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (60380698)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワード近世フランス / リヨン / 外国人 / イタリア人 / 帰化 / 市民権
研究実績の概要

本年度も引き続き、16~18世紀のリヨンで帰化した外国人の帰化状の解読を進めた。ローヌ県文書館のBP 1881-1883を調査すると、この期間にリヨンで帰化した計256人の外国人の特徴を再構成することができた。
帰化状の文言は、「神の恩寵により」とする前文から始まり、申請者の氏名、出身地、宗派、両親の氏名、職業、肩書きなどが記され、続けて移住の経緯、帰化の動機、移住後の職業などが列記された後、居住・永住の意思表明がなされる。最後に、帰化に伴う国王と外国人の契約内容が明記されると同時に、外国人遺産没収権から免除されるように請願される。帰化に要した費用については、パリを調査したサーリンズは300~600リーヴルであったとしているが、リヨンの史料からは国璽料と登録費あわせて数10リーヴルで可能であった事例も複数存在する。パリへの移動費と国王書記官や仲介者への仲介料などを加味しても、少なくともリヨンにおいては、富裕者層でなければ取得できないというものではなかったと思われ、実際に帰化申請者の多様な社会的背景が浮かび上がってきた。
私は昨年9月にオルレアン大学で行われた国際議会史学会で研究発表を行い、その内容をもとに投稿した論文が、本年3月に雑誌Parliaments, Estates and Representationに掲載された。また、来月『歴史の見方・考え方:大学で学ぶ「考える歴史」』(山川出版社)が刊行される予定であり、その第2章を執筆した。本年8月にはローマで国際都市史学会が開催されるが、そのセッション"Immigrants and refugees in Western European Cities"において本研究成果を報告することが決まっている。日本語での雑誌論文が出せなかったことが悔やまれるが、ローマ学会後に質疑応答を踏まえた上で原稿を仕上げ、投稿することにしたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Les deputes de Lyon en cour et l’art des communications de la ville et du pouvoir royal au XVIe siecle2018

    • 著者名/発表者名
      Keiko KOYAMA
    • 雑誌名

      Parliaments, Estates and Representation

      巻: vol. 38, n. 2 ページ: 1-14

    • DOI

      10.1080/02606755.2018.1436261

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Les deputes de Lyon en cour et la technique des communications de la ville et du pouvoir royal au XVIe siecle2017

    • 著者名/発表者名
      Keiko KOYAMA
    • 学会等名
      International Commission for the History of Representative and Parliamentary Institutions
    • 国際学会
  • [図書] 歴史の見方・考え方:大学で学ぶ「考える歴史」2018

    • 著者名/発表者名
      佐藤昇編、神戸大学文学部史学講座
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      山川出版社
    • ISBN
      978-4634640894

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi