リヨンは1462年に大市開催権を取得して以降、外来者の多い国際商業都市として発展する。1597年の住民調査によれば地元生まれはわずか22%であった。本研究では第一に、外来者がどのように都市の中に居住したかを調査した。その結果、彼らは外国人街を形成することなく、都市内に混在して居住したことが判明した。第二に、外来者集団は出身都市ごとに自治組織的な同郷団を結成したことから、フィレンツェ同郷団規約を分析し、同郷者内部の規律・互助のあり方と、ホスト社会との関わり方を考察した。第三に検討したのは、外国人の帰化状と市民権の取得である。帰化状から、外国人がどのような目的・戦略から帰化を選んだかを検討した。
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