18世紀におけるイングランド国教会の歴史については、イギリス・日本において研究がうすく、とりわけ国教会と海外との交流については未開拓の分野である。1701年、国教会はイギリス領アメリカ植民地における国教徒の司牧および異教徒への布教を開始するため、海外福音伝道協会(SPG)を設立した。本研究では、18世紀におけるSPGによるアフリカ系奴隷への布教活動について解明し、国教会の海外進出と発展を明らかにした。SPG宣教師は学校や教会で奴隷にキリスト教を教えて成果をあげていたのである。本国の国教会聖職者も布教を支援し、18世紀に国教会が活発に活動していたことを明らかにした。
|