本研究は、古代東地中海の歴史をギリシア史・ヘレニズム史・ローマ史と区分して見るのではなく、東地中海、とりわけ小アジアの文化を通時的に考察することを目的とした。小アジアにおける多様な土着の文化が、時代とともにどのように変容していったかについて、《ギリシア化》という現象に焦点をおいてその現象がどのような側面で展開されていったかについて考察をおこなった。とくにリキアにおけるギリシア由来の制度の受容とその解釈のあり方、それによる土着文化の変化と強化について検討した。最終年度に、この問題関心を中心テーマに据えて国際ワークショップを開催し、今後この研究を共同研究として進めていくための土台を築いた。
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