本研究は、1848年から1880年代のプロイセン・ドイツ領ポーランド地域における政治文化の変容を、特にポーゼン州に着目して検討した。まず、1840年代からポーランド人の結集の在り方は、貴族的なものから地域的・ナショナルなものへと変化していったことが明らかとなった。また、ポーゼン州議会の検討から、プロイセン国家と州の関係が、自律的な地域社団から地方公共団体へと変化したことが明らかとなった。これらの政治文化の変容は、国家全域やナショナルなレベルで生じただけではなく、地域のレベルで顕在化したのであり、地域レベルでの研究の重要性を本研究は指摘した。
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