本研究では、18世紀後半のポーランドにおける公共論の形成の多角的な分析を試みた。とりわけ1791年憲法制定をめぐる公共論が、宮廷と中央・地方の貴族の議論の中でどのように形成されていったかについて詳細に分析し、著書『1791年5月3日憲法』(初版と増補改訂版)と論文「1791年5月3日憲法とその立憲主義的伝統」でその成果を公表した。また、18世紀後半から19世紀にかけてのワルシャワの音楽文化と社会に関するテーマで学会発表を行い、当時の公共論の形成との関連を考察した。さらに、国民教育委員会における公共論の形成とこのテーマ全体に関しては、現在論考を準備中である。
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