• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

中世末期ロシアにおける国家・教会関係の緊密化の法的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370879
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岐阜聖徳学園大学

研究代表者

宮野 裕  岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (50312327)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードロシア
研究概要

昨年度は、研究課題の一つであったウラジーミルの教会規定とヤロスラフの教会規定を利用して、懸案であった14世紀の国家と教会との関係を、部分的にではあるが明らかに出来た。その成果は10月の中近世ロシア研究会で報告した後、「14世紀モスクワ社会における公の裁判権と教会裁判権―教会規定研究をもとに」『中近世ロシア研究論文集』(2014年3月)において発表した。そこでは、14世紀において、主に家父長権の伸張が生じており、それが公の権力の範囲を実質広めていたこと、また異教徒との対応を含め、当時のモスクワ社会で生じていた様々な法的変化、また社会の変化の一端を解明できた。それ以外にも、本稿前半部は規定研究のまとめとなっており、ユシコフとシチャポフの説ををうまくまとめることで、ヤロスラフ規定の簡素版とウラジーミル規定のシノド版、ヤロスラフ規定の拡大版とウラジーミル規定のオレニン版がペアで伝わるという重要な事実を論じ、第二のペアから第一のペアへの変化が14世紀のモスクワの状況の解明に寄与することを論証した。
また別の作業として、ノヴゴロド共和政の最新の研究を『ロシア史研究』に紹介・発表し、この聖俗の距離の近い神政国家の国制状況についての知識を深めた。
更に、ロシアにおける聖俗の国制的関係の画期となった動乱時代の両権力の関係について、中近世ロシア研究会で報告した。これは時期的にいえば、本来、本研究課題の次に来るものであるが、先を見通せたことで十分本研究にとっても意義あるものであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2014年度の西洋史学会大会で本課題の続編というべき研究の報告の依頼があり、本研究そのものは遅れている。ただ、本研究にとって無駄ではなく、先を見越した形で本研究に望めるので、意義あるものである。本研究そのものの計画についていえば、府主教文書自体の翻訳はできあがっているので、報告が二週後におわり次第、本格的に検討に入り、遅れを取り戻したい。

今後の研究の推進方策

府主教の裁判文書の検討は、明らかに文書そのものの検討だけでは達成できない。それ故、聖俗権力の当時の状況に関する先行研究を読み解きながら、具体的には殆ど手の入っていない14世紀末から15世紀初頭の聖俗関係を、少なくともその一端を明らかにしたい。
また本年度は昨年の計画に合ったロシアにおける文献調査を行う8月末に予定である。
その他は研究計画書の通りである。

次年度の研究費の使用計画

本来計画していたロシアにおける史料調査が、本務校の本務が入ったために実施不可能になったため(免許更新講習および小学校教育実習、オープンキャンパス)。
昨年実施の出来なかった史料調査について、今年度は実施するための時間を確保できるよう調整しており、残余分をそのまま旅費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Севастьянова О. В. Древний Новгород: новгородско-княжеские отношения в XII - первой половине XV в. М.; СПб. 2011.2014

    • 著者名/発表者名
      宮野裕
    • 雑誌名

      ロシア史研究

      巻: 94 ページ: 33

  • [学会発表] ミハイル・ロマノフ治世下における権力の継承の正統化

    • 著者名/発表者名
      宮野裕
    • 学会等名
      日本西洋史学会大会
    • 発表場所
      立教大学
  • [図書] 中近世ロシア研究論文集2014

    • 著者名/発表者名
      中近世ロシア研究会
    • 総ページ数
      166
    • 出版者
      中近世ロシア研究会(編)

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi