本研究は、中世末期ロシアにおける国家・教会関係がどのようにして、緊密化をしていくのか、法的観点からこれを考察する研究であり、その緊密化過程を同時代状況の文脈におき、そのヴィヴィッドな側面を明らかにしようとするものであった。個々の法文献については、14世紀の「府主教裁判法」の分析を行った。その上で、それも含めて、14世紀後半のモスクワにおける教会法の取りまとめと刷新が生じたことを明らかにした。更にその後の14世紀末から15世紀初頭の教会法を分析し、この時期における国家教会関係の緊密化の段階について論じた。
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